| 毎週月曜日、パリ特派員から最新のヒットチャートとフランス映画のとっておき情報をお届けしています。 |
| LE 31 MARS 2008 |
| ルイ・ガレルとヴィルジニー・ルドワイヤンがロベール・ゲディギャン監督の新作に L.GARREL ET V.LEDOYEN DANS LE NOUVEAU GUEDIGUIAN |
| 『マルセイユの恋』など南仏を舞台にお気に入りの俳優たちを使って現代劇を取り続けているロベール・ゲディギャン監督が、新作「犯罪の軍隊」“L'ARMEE DU CRIME”で初めて歴史ドラマに挑戦、第二次世界大戦中のレジスタンスの英雄Missak Manouchianと彼が率いた共産主義グループFTP-MOIを描くことが明らかになった。トルコによるアルメニア人大虐殺時に両親を失い、19歳で兄とともにフランスに移住したMissak Manouchianは、外国人移住者たちでをFTP-MOIを結成してレジスタンス活動を行ったが、1943年11月に他のメンバーと共に警察に捕まり、翌年2月に処刑。ナチスは彼らを「犯罪の軍隊」と呼び、プロパガンダに利用しようとしたが、フランス国民は逆にフランスのために闘う外国人として彼らを尊敬し、その活動はフランスのレジスタンスの歴史に深く刻み込まれている。父親がアルメニア人のロベール・ゲディギャン監督は共産主義者として知られており、また主役を演じるのはやはりアルメニア系フランス人で『アララトの聖母』『カジノ・ロワイヤル』に出演しているサイモン・アブカリアン。ゲディギャン監督の常連俳優たちの他に、ルイ・ガレル、ヴィルジニー・ルドワイヤンらが出演することも話題になっている。撮影は2008年6月中旬から9月中旬にかけてパリで行われる予定。 |
| ベルナール・ジロドーに12年ぶりの監督作品 APRES 12 ANS D'ABSENCE, LE NOUVEAU FILM POUR B.GIRAUDEAU |
| 2000年と2005年に2度ガンにかかり、闘病生活を余儀なくされていたの『川のうつろい』のベルナール・ジロドーが12年ぶりに3本目の監督作品に挑戦することになりそうだ。チリの作家Hernan Rivera Letelierの小説“El Fantasista”(英題:The Fantasist)の映画化となる今作の舞台は1929年8月、大統領の訪問に沸く南米チリのアタカマ砂漠の村。床屋の父親の元でピアノを教える美しい娘がブラスバンドのトランペット奏者と恋に落ちるが、貧しい環境に喘ぐこの地方の人々のためにアナーキストの父親は大統領を相手取った反乱を企てようとする物語。ベルナール・ジロドーはこの作品をプロデューサーのユベール・トワンと共同監督す、また主演にはマリー・ジランとチャップリンの孫であるジェームス・ティエレに名前があがっているが、ジロドー自身が俳優として出演するのかどうかを始め、撮影や完成時期などの詳しい情報はまだ明らかになっていない。 |
| マリオン・コティラールのエコ生活 LA VIE ECOLO DE M.COTILLARD |
| 『エディット・ピアフ 愛の讃歌』の演技で一躍ハリウッド・スターの仲間入りをし、現在ジョニー・デップと新作を撮影中のマリオン・コティヤール。その彼女のエコ生活の一部をご紹介。彼女が2001年から環境保護団体グリーンピースのメンバーとして活動しているのは有名だが、2004年にはある高級ブランドの新しい香水のイメージガールに決定しかけた時に、グリーンピースがこのブランドが健康に害を及ぼす可能性のある物質を使用していると示唆したため、オファーを断った逸話も。また彼女の家の床はココナッツの繊維でできており、シャワーしか浴びず、ゴミの分別は当然のこと。誰かが道でゴミを捨てたり電気を消し忘れたりすると、怒って無自覚であると注意をするそうである。 |
| 2007年度フランス映画の製作状況 BILAN DE LA PRODUCTION DES FILMS FRANCAIS 2007 |
| 2007年度のフランス映画の製作状況が国立映画センターCNCより発表された。2007年度の製作本数は2006年より25本増えた228作品だが、最高記録となっている2005年度よりは12本少ない結果に。また他国との共同製作数も昨年より増えており、フランスでの資本のみ、もしくはフランスの資本が大部分を占める作品は185本。テレビ局の役割は以前として強く、この185本において製作費の30.5%を出資している。またここ数年、特に2006年に注目された巨額バジェットの作品と小規模の作品の多極化はやや弱まっており、1000万ユーロ以上の製作費の作品は28本、200万ユーロ以下の作品は64本に。パスカル・フェラン監督が2007年のセザール賞授賞式でその危機を警鐘した500万〜700万ユーロの製作費である「中間の作品」は2006年の12本から20本に増えてている。またフランス映画界の特徴と言われる初監督作品の多さだが、昨年はフランスが主導権を取っている185本のうち、39%の作品が長編デビュー作であり、昨年より28.6%上昇。そして海外で撮影された作品も2006年より13%増えており、その理由としてストーリー上の必要性だけではなく、撮影費の安さ(ポルトガルや東欧諸国)や海外での共同製作費を集めるための手段であると上げられている。またCNCはフランス文化の普及のため、『マリー・アントワネット』や『ダ・ヴィンチ・コード』のように海外の作品がフランスで撮影するのと助けるための貸し付け制度を今後構築したいとしている。 |
| ダニー・ブーン監督作品、動員数が1500万人突破!/今週のフランスの興行成績(3月26日版) |
| 今週はファミリー向けのフランス産アニメ「ドラゴン・ハンター」“CHASSEURS DE DRAGON”(ギョーム・イヴェルネル&アルチュール・クワック監督)が12,708人を動員してトップに。そしてイライジャ・ウッド主演の“THE OXFORD MURDERS”、57年作『決断の3時10分』のリメイク“3:10 TO YUMA”に続いたのは、『歌え!ジャニス★ジョプリンのように』のサミュエリ・ベンシュトリ監督の新作「ギャングスターになりたいといつも夢見ていた」“J'AI TOUJOURS REVE D'ETRE UN GANGSTER”。愛すべきルーザーたちの姿をモノクロの映像で描いたジム・ジャームッシュ風のちょっとずれたコメディで、監督の私生活のパートナーであるアンナ・ムグナリス、ジャン・ロシュフォールや歌手のアラン・バッシュンなど個性的なキャストが勢揃い。大衆性のない作品ながらも公開前の宣伝効果も手伝って4,100人を動員。サンドリーヌ・ボネールを主役にフローベルの短編を自由翻案した「純な心」“UN COEUR SIMPLE”(マリオン・レーヌ監督)の2,393人を押さえて4位にランクインした。 週間チャートではダニー・ブーン監督/主演の「北フランスにようこそ」“BIENVENUE CHEZ LES CH'TIS”がとうとう累計1500万人を突破し、『ミッション・クレオパトラ』を抜いて、フランス映画歴代2位に。公開からまだ4週しか経っていないことから、1727万人を動員して40年以上不動の1位をキープしている『大進撃』(ジェラール・ウーリー監督)を追い越すのは確実ではないかと目されている。また先週公開された「ずっと君が好きだった」“IL Y A LONGTEMPS QUE JE T'AIME”(フィリップ・クローデル監督)も確実に観客を集め、286,616人を動員。“MR 73”(オリヴィエ・マーシャル監督)は2週で60万人を突破、「影の女性たち」“LES FEMMES DE L'OMBRE”(ジャン=ポール・サロメ監督)は3週を終えて70万人動員に後一歩まで迫っている。また「パリ」“PARIS”(セドリック・クラピッシュ監督)は5週で165万人近くを動員し、依然トップ10内に入っている。 |
| LE 24 MARS 2008 |
| ダニエル・オートゥイユの代わりはダニー・ブーン DANY BOON REMPLACERA DANIEL AUTEUIL |
| 『ぼくの大切な友だち』(ワイズポリシー配給)に出演後、実生活でも本当に友だちになってしまったダニエル・オートゥイユとダニー・ブーンだが、ダニエル・オートゥイユが降板した作品の主役をダニー・ブーンが演じることになりそうだ。その作品、「道程のための最後のひとつ」“UN DERNIER POUR LA ROUTE”は30年間に渡って世界中の戦地のリポートをし続けたフランスのベテランジャーナリストで、現在はヨーロッパで最も重要なTVエージェントのひとつCAPA TVのトップであるエルヴェ・シャバリエの実話がベース。アルコール中毒の治療施設に入院して闘病生活を送った彼は、5週間にわたるその経験を日記につけて小説として出版したのだ。メガホンを握るのは『マドモワゼル』などのプロデューサーとして知られるパトリック・ゴドー。撮影は2009年になる模様。 |
| ソフィー・マルソーがコメディに出演 SOPHIE MARCEAU DAN UNE COMEDIE |
| フランス映画祭に登場して日本のファンを喜ばせたソフィー・マルソーが、女性監督リザ・アズエロによるコメディ“LOL”に出演 することになった。タイトルの“LOL”とは若者言葉で『爆笑』の意味。ソフィー・マルソーが演じるのは、携帯でメッセージを送るのが大好きな、ちょっと落ち着きのない15歳の娘の母親。大人への入り口にさしかかった娘との難しい関係をユーモアたっぷりに描いた作品になるそう。監督のリザ・アズエロは2006年にミッシェル・ラロック、オール・アッティカらを集めた女性の群像コメディ「なんてきれいなの!」“COMMENT TU Y'ES BELLE!”を発表し、で100万人を動員するヒットを記録している。また今作には『エンパイア・オブ・ウルフ』のジョスラン・キヴランの名前が共演者のリストに入っている。 |
| ヴィルジニー・デパントの新作はベアトリス・ダルが主役 BEATRICE DALLE DANS LE NOUVEAU DESPENTES |
| 『ベーゼ・モア』の原作者で共同監督の一人であったヴィルジニー・デパントが、2004年に発表した小説“BYE BYE BLONDIE”をベアトリス・ダルを主役に迎えて映画化することになった。彼女が演じる住所不定の35歳の女性グロリアは、パンクであった思春期に両親によって強制入院させられた精神病院で出会った金持ちの息子エリックと偶然再会する。今ではテレビの人気司会者になった彼は、グロリアの存在を無視しようとするが…という物語。舞台はフランスの地方都市ナンシーで、作品は二人の主人公が出会った80年代のパンクロックのテイストを反映させたスタイルになるそうだが、現時点で撮影の日程や公開時期などの情報は明らかになっていない。 |
| イザベル・アジャーニがランセルの顔に ISABELLE ADJANI, L'AMBASSADRICE DE LANCEL |
| フランスを代表する女優のイザベル・アジャーニがランセルのイメージモデルに就任して話題になっている。1年前、舞台「マリー・スチュワート」“MARIE STUART”の上演後にランセルの社長マルク・ルランデ氏と知り合ったというアジャーニは、狂喜の時代と呼ばれた1920年代のスターであったミスタンゲットやアルレッティもお気に入りだったという130年に渡るランセルの歴史を知ったという。既に数年間に渡るディオールのアイコンとしての経験のあるアジャーニだが、今回は単なるキャンペーンだけではなくブランドを象徴する大使的な役割を担うとのこと。ランセル側はアジャーニを「ナチュラルでミステリアス、繊細で真珠のような光沢を持ち、知的で挑発的、触れることのできない傑出した女性」と形容している。これを記念してアジャーニの名前を関したバッグが発表されるとの噂もあるが、これはまだ正式には確認されていない。 |
| ダニー・ブーン監督作品、快進撃が止まらない!/今週のフランスの興行成績(3月19日版) |
| 今週も先週に引き続き、フランス映画とアメリカ映画が対決。小説家フィリップ・クローデルの初監督作品にしてベルリン映画祭の公式コンペに出品された「ずっと君が好きだった」“IL Y A LONGTEMPS QUE JE T'AIME”は、クリスティン・スコット・トーマスとエルザ・ジベルスタインを主役に、15年の刑務所生活を終えて出所した姉を彼女を迎え入れる妹を軸にした愛と再生の物語。批評家の評価ははっきりと分かれたものの、『バンテージ・ポイント』の11,407人、『ダージリン特急』の7,534人を押さえて、11,443人動員の1位スタートを切った。またクロヴィス・コルニアック(『ナイト・オブ・ザ・スカイ』)とマリ・ジョゼ・クローズ(『潜水服も蝶の夢を見る』)が薬の不法実験に立ち向かうスリラー「新実施要領」“LE NOUVEAU PROTOCOLE”(トマ・ヴァンサン監督)は4,604人を動員して4位にランクインした。 週間チャートではダニー・ブーン監督/主演の「北フランスにようこそ」“BIENVENUE CHEZ LES CH'TIS”が今週も1位を爆走。前週比8%のダウンのみの363万人を動員し、累計動員数は1260万人近くに。また作『紀元前1万年』と“MR 73”(オリヴィエ・マーシャル監督)は全国区でも接戦を見せ、前者が563プリントで474,853人、後者が478プリントで448,334人を動員して、2位と3位にランクイン。また2週目を迎えた「影の女性たち」“LES FEMMES DE L'OMBRE”(ジャン=ポール・サロメ監督)は前週比1%ダウンの累計57万人弱、「パリ」“PARIS”(セドリック・クラピッシュ監督)は4週で156万人突破と以前好調で、4位と6位をマーク。“MODERN LOVE”(ステファン・カザンジャン監督)と「夏時間」“L'HEURE D'ETE”(オリヴィエ・アサヤス監督)も併せて、6本のフランス映画がトップ10にランキングされている。 |
| LE 17 MARS 2008 |
| セドリック・カーン監督が大人のラブストーリーに挑戦 HISTOIRE D'AMOUR POUR C.KAHN |
| 『チャーリーとパパの飛行機』(ワイズポリシー配給)のセドリック・カーン監督が、新作「後悔」“LES REGRETS”でイヴァン・アタルとヴァレリア=ブルー二・テドスキをキャスティングしたことが明らかになった。イヴァン・アタル演じるマチューが母親の死をきっかけに若き頃の恋人マヤに再会する物語で、カーン監督にとっては5作ぶりのオリジナル脚本による作品になる。イヴァン・アタルはヴァレリア=ブルー二・テドスキの初監督作品『ラクダと針の穴』に出演、また二人は共にスティーブン・スピルバーグ監督の『ミュンヘン』に出演している。この演技派の二人の出演を得て、『チャーリー…』とはまた打って変わった大人のラブストーリーが期待できそうだ。撮影は5月と6月にパリ近郊とフランス中部で行われる。 |
| ビジネスの世界におけるコーチの姿は COACHING DANS LE MONDE DES AFFAIRES |
| ジャン=ポール・ルーヴ(『エディット・ピアフ〜愛の讃歌』『ロング・エンゲージメント』)とリシャール・ベリ(『ぼくセザール10歳半1m39cm』『ルビーとカンタン』)が、この夏に撮影される社会派風刺コメディ「コーチ」“COACH”で共演する。スポーツだけではなく、今やビジネスの世界においても増々重要な位置を占めるコーチの役割をテーマにした作品で、企業の幹部が重要な契約にこぎつけるためのプロのコーチが主人公。監督はこれが長編3作目になるオリヴィエ・ドラン。今作にはアテネオリンピックで金メダルを獲得するも、突然恋人のいるイタリアに移住して大騒動に、しかしそこでもコーチと問題を起こしてフランスに戻ってきたし水泳選手ロール・マナドゥなど、有名人がカメオ出演をする模様。 |
| 元テニス選手の国民的スターがついに銀幕デビュー DEBUTS D'ACTEUR POUR ANCIEN JOUEUR DE TENNIS |
| 元男子プロテニス選手で現在は歌手やタレントとして活躍するフランスの国民的スター、ヤニック・ノアが映画デビューすることになった。「サファリ」“SAFARI”というタイトルのこの作品は、ナイロビでサファリをオーガナイズする小さな会社を経営するものの実は大の動物嫌いである男性が、フランス人観光客を乗せた大型バスでソマリアの国境まであるスーツケースを送り届けなくてはならなくなり、騒動が巻き起こる、というコメディ。カメルーン人の父親とフランス人の母親を持つノアはアフリカのある村の村長を演じる。共演はカド・メラッド(『コーラス』)で、撮影は3月10日に南アフリカでスタートしている。 |
| ジュリエット・ビノシュがダンサーとしてデビュー J.BINOCHE DEBUT COMME DANSEUSE |
| 女優のジュリエット・ビノシュが、現代舞踊で最も注目されているダンサー兼振付師の一人であるアクラム・カーンの舞台に出演することが明らかになった。複数の演目からなる舞台は9月にロンドンの国立劇場で上演される予定だが、ビノシュのパートは全く台詞のない二人だけのダンス。彼女は今までにプロのダンサーとしての経験は皆無だが、この演目に精力的に取り組んでおり、アクラム・カーンは「常に踊りたいと願っていた」彼女は「危惧させることを恐れない」と語っている。ロンドン生まれのバングラディッシュ系イギリス人であるカーン氏は、西洋のコンテンポラリーダンスとインドの古典舞踊を融合させたスタイルで有名だが、異文化を積極的に取り入れ、カイリー・ミノーグのコンサートの振り付けの一部を担当したこともある。 |
| ダニー・ブーン監督作品、2週間で年間トップに!/今週のフランスの興行成績(3月12日版) |
| 今週はローランド・エメリッヒ監督の超大作『紀元前1万年』が公開に。これに果敢に挑んだのは、前作『あるいは裏切りという名の犬』が大ヒットしたオリヴィエ・マーシャル監督の新作“MR 73”。前作に引き続き出演のダニエル・オートゥイユ扮するアル中の刑事を軸に展開するハードボイルドな悲劇だが、前作に比べて、批評家の評価は辛口。しかし14,568人を動員し、17,399人を集客した『紀元前1万年』に食い下がった。5,069人動員で3位に入ったのは3つのカップルの姿を描くラブコメ“MODERN LOVE”(ステファン・カザンジャン監督)。またベルリン映画祭公式コンペに出品された、エリック・ゾンカ監督の英語劇“JULIA”は、13館のみの上映で1,879人動員と苦しいスタートを切ったが、フランスの批評家は大絶賛。今後、どのような動きを見せるかに注目が集まっている。 週間チャートではダニー・ブーン監督/主演の「北フランスにようこそ」“BIENVENUE CHEZ LES CH'TIS”が2週目も勢いが衰えず、前週比12%マイナスのみの3,940,634人を動員。累計で895万人以上となり、なんと2週間で『レミーのおいしいレストラン』を抜いて年間チャートでトップに。まさに怪物映画になるの間違いなさそうだ。また先週公開されたフランス映画では「影の女性たち」“LES FEMMES DE L'OMBRE”(ジャン=ポール・サロメ監督)が285,711人動員で2位、「夏時間」“L'HEURE D'ETE”(オリヴィエ・アサヤス監督)が151,227人の5位にランクインしている。 |
| LE 10 MARS 2008 |
| フランソワ・オゾン監督が新しい体制で新作の撮影をスタート DEMARRAGE DU NOUVEAU OZON AVEC NOUVELLE STRUCTURE |
| フランソワ・オゾン監督が2月25日より新作「リッキー」“RICKY”の撮影に入っている。いつも作品の内容の詳細を事前に発表しないことで有名なオゾン監督らしく、超自然能力を持つ息子リッキーとその両親の物語としか明らかなっていないが、特殊効果をふんだんに利用した初めてのファンタスティック系の作品になる模様。出演はセルジ・ロペス(『ハリー 見知らぬ友人』『パンズ・ラビリンス』)とアレクサンドラ・ラミー。アレクサンドラ・ラミーはテレビのショートコント番組で有名になり映画界に進出したが、この作品で作家性のある監督の作品へのデビューとなる。またオゾン監督の作品は最初の短編から国立映画学校フェミスの同級生2人の立ち上げた会社フィデリテが製作してきたが、今回初めて別のプロデューサーが担当することが話題になっている。 |
| ブノワ・マジメルが新作でロマの男性に B.MAJIMEL EN ROM POUR LE NOUVEAU FILM |
| ブノワ・マジメルが「ザルカンの独房」“LA CELLULE DE ZARKANE”という新作で、無実の罪で22年間を刑務所で過ごすことになったロマの男性を演じることになりそうだ。南仏にあるロマたちが住むキャラバン生まれの少年が養子に出され、土地のギャングのボスに見込まれて大金を手に入れるようになる。その後、愛する家族と絵を描く情熱のために生活を変えようとするものの、妻と娘を殺した罪で捕まってしまう、という物語。監督は物まねやコント、俳優、歌手、そしてテレビ番組の司会などでマルチに活躍するタレントのパトリック・セバスチャン。9年前に「君が好きだ」“T'AIME”で映画監督デビューしているが、これは興行的には失敗、彼自身が偽名で発表した小説が原作となる今作で再チャレンジとなる。撮影は今年の夏にスタートする予定。 |
| 想像を絶する実話の原作、実はフィクション VRAIE HISTOIRE INCROYABLE ETAIT UNE FICTION |
| 現在フランスで公開中で、6週間で58万人以上を動員するヒットとなった「オオカミと生き延びて」“SURVIVRE AVEC LES LOUPS”(ヴェラ・ベルモン監督)。しかしこの作品の原作である自伝が完全なるフィクションであることが作家ミーシャ・デュフォンセカの口から明らかになった。物語の内容は8歳のユダヤ人の少女が第2次世界大戦中に強制収容所にいる両親を探しに羅針計だけを頼りに1941年にベルギーを出発、途中、オオカミたちに助けられながらウクライナまで3000キロを旅した、というものであったが、デュフォンセカ自身は1941年当時は4歳でユダヤ人ではなかった。両親はレジスタンスであったが警察に捕まえられ、拷問の末に自白。周囲に裏切り者の娘と中傷された彼女は自身をユダヤ人と同一視をし始め、そのコミュニティーに受け入れられたと言う。10年前に発行され、18カ国語に翻訳、数百万部が売れた原作だが、デュフォンセカは現在住んでいるアメリカの発行者に後押しされる形で希望していなかった出版を決意した、と出張するが、世界中の権利を所有している出版社側はデュフォンセカを相手に法的手段に出る模様。またユダヤ人であるヴェラ・ベルモン監督は「少しだけ怒っている」ものの、作者に同情の意も寄せ、「これがフィクションでも映画化しただろう」と語っている。しかし作品のクレジットにつけられている「実話をもとにした」という一文は外されることになった。 |
| ルー・ドワイヨンがおしゃれなヌードを披露! L.DOILLON POSE NU |
| 昨年秋にイメージを刷新したフランス版プレイボーイ誌。以来、ジュリエット・ビノシュ、リュデヴィーヌ・サニエ、ヴァイナ・ジョコンテらの女優たちが芸術性の高いモードなセクシーショットを見せてきたが、現在発売中の最新号ではルー・ドワイヨンが表紙を飾り、誌面でもおしゃれな全身ヌードを初披露している。「彼女を説得するのは難しくなかった」という同誌の編集長YAN CEH氏は「父親である映画監督のジャック・ドワイヨン、そして姉であるシャルロットの父親セルジュ・ゲンズブールの所有する雑誌に目を通していた彼女は12歳の頃からこの雑誌のためにポーズを取る事を夢見ていた」と語っている。 |
| ダニー・ブーン監督作品、1週間だけで445万人を動員!/今週のフランスの興行成績(3月5日版) |
| 公開された今週は第二次世界大戦中の女性レジスタンスにスポットを当てたジャン=ポール・サロメ監督の「影の女性たち」“LES FEMMES DE L'OMBRE”が公開に。スリル満載の戦争ドラマにソフィー・マルソー、マリー・ジラン、ジュリー・ドパルデュー、そしてデボラ・フランソワという様々な年代の女優たちが集結し、10,653人を動員したが、同日公開されたミシェル・ゴンドリー監督、ジャック・ブラック主演のコメディ“BE KIND REWIND”が集客数でわずかに上回り、2位でのスタートとなった。またオルセー美術館のイニシアチブで製作されたオリヴィエ・アサヤス監督の新作「夏時間」“L'HEURE D'ETE”は、画家であった叔父の遺産を守り続けてきた母の死により、その遺産を売却することを決める家族の物語でジュリエット・ビノシュ、シャルル・ベルリング、ジュレミー・レニエ主演。静かな作品ながら8,235人動員と好調なスタートを切った。 週間チャートでは ダニー・ブーン(ワイズポリシー配給『ぼくの大切な友だち』)の監督/主演作品「北フランスにようこそ」“BIENVENUE CHEZ LES CH'TIS”が1週間だけで445万人を動員し、先行公開分を含めた累計では既に500万人を突破し、製作費1100万ユーロの採算を既にとってしまった。2週目に入った水曜日もパリだけで8万人以上を動員しており、今後、どこまで数字をのばして行くかに大きな注目が集まっている。またセドリック・クラピッシュ監督の新作「パリ」“PARIS”は2週目で115万人を突破した。 |
| LE 3 MARS 2008 |
| カンヌ映画祭:有力候補は? CANNES 2008:PRETENDANTS |
| 今年のカンヌ映画祭までまだ2ヶ月半近くあるが、既に選出に向かって完成作業が急ピッチで進められている作品を紹介。フランス映画で有力候補と言われているのは、『ムッシュー・カステラの恋』のアニエス・ジャウイ監督の新作「雨について語って」“PARLEZ-MOI DE LA PLUIE”、パリの庶民的な界隈にある高校を舞台にした社会派ドラマ「壁の間で」“ENTRE LES MURS”(ロラン・カンテ監督)、アルノー・デプレシャン監督の家族ドラマ「あるクリスマスの寓話」“UN CONTE DE NOEL”。その他、ベテラン監督ではベルトラン・タベルニエの英語劇によるスリラー“IN THE ELECTRIC MIST”と江戸川乱歩の小説を原作にブノワ・マジメルを主演に日本で撮影されたベーベット・シュローダーの“INJU”が控えている。アウトサイダー的な存在ながらも選出を狙うのは“35 RHUMS”と“WHITE MATERIAL”の2本の新作を抱えるクレール・ドニ監督、ドキュメンタリーで知られるカンボジア人監督リッティ・パンがマルグリット・デュラスの小説を映画化した「太平洋の防波堤」“UN BARRAGE CONTRE LE PACIFIQUE”、アーシア・アルジェント、マチュー・アマルリック主演ベルトラン・ボネロ監督の「戦争から」“DE LA GUERRE”,ジャン=ピエール・ダルッサン、サビーヌ・アゼマ主演のラリュー兄弟監督の「ピレネーへの旅」“LE VOYAGE AUX PYRENEES”など。またフランスの有名俳優たちが大挙出演する群像劇「公共ベンチ」“BANCS PUBLICS”(ブリュノ・ポダリデス監督)、『アルテミシア』のアニエス・メルレ監督による久々の新作サイコスリラー“DOROTHY MILLS”、小説家ミシェル・ウーエルベックによる初監督作品「ある島の可能性」“LA POSSIBILITE D'UNE ILE”、ヴェネチア映画祭の常連フィリップ・ガレル監督の新作「夜明けの境界線」“LA FRONTIERE DE L'AUBE”もサプライズとして想定できる。そしてマチュー・カソヴィッツ監督のSF大作“BABYLON A.D.”は招待上映が確実視されている。 ヨーロッパ勢からはベルギーからはダルデンヌ兄弟、ドイツからはヴィム・ヴェンダースと『名もなきアフリカの土地で』カロリーヌ・リンクの新作、イギリスからはマイケル・ウィンターボトム監督の“GENOVA”、キーラ・ナイトレイ主演のコスチューム劇“THE DUCHESS”(ソウル・ディブ監督)などが待機。英語圏からはスティーブン・ソダバーグ、デヴィッド・フィンチャー、ジェイムス・グレイ、コーエン兄弟、バズ・ラーマン、アトム・エゴヤン、そしてイーストウッド監督など常連監督の名がひしめきあっており、スピルバーグ監督の『インディアナ・ジョーンズ4』とウォシャウスキー兄弟の『スピードレーサー』は招待作品として上映されると言われている。 また、ここ数年、主要な映画祭で重要な位置を占めている東欧や南米、アジアの作品も有力候補が多数あり、その中でもウォルター・サレス、フェルナンド・メイレレス、トラン・アン・ユン、キム・キドク、サミラ・マクマルバフ、日本の是枝裕和、河瀬直美の作品のどれが食い込んでいるかに注目が集まっている。 映画祭側の公式発表までは後1ヶ月半以上あるが、それまで激しい戦いが水面下で繰り広げられる。 |
| ダニー・ブーンにまたまた新作! ENCORE UN NOUVEAU FILM POUR D.BOON! |
| 初夏の公開が待ち遠しいパトリス・ルコント監督の新作『ぼくの大切な友だち』の主演男優ダニー・ブーンにまたまた新作のニュース。『ブッシュ・ド・ノエル』『シェフと素顔と、おいしい時間』のダニエル・トンプソン監督の新作群像劇「コードが変更」“LE CODE A CHANGE”で、エマニュエル・サニエ(『潜水服は蝶の夢を見る』)、マリナ・ハンズ(『レディ・チャタレー』)、パトリック・シェネ(『愛するために、ここにいる』)、ピエール・アルディティと共演することになった。物語の舞台はパリで毎年6月21日に開催される音楽祭FETE DE LA MUSIQUEの夜。町中が音楽に溢れる中であるカップルが近親者をディナーに招待するが、建物に入るためのコードが変更になってしまったことから起きる予想外の展開を社会風刺を込めて描いていたコメディ。ダニー・ブーンはこの作品の中でディナーをオーガナイズしたカップルの求職中の夫役を演じることに。撮影は3月25日から6月11日まで行われ、2009年初の公開を目指している。 |
| オリヴィエ・ダアン監督、『エディット・ピアフ』の次は英語劇! FILM EN ANGLAIS APRES LA MOME POUR O.DAHAN |
| 『エディット・ピアフ 愛の讃歌』で主演のマリオン・コティヤールに世界中の賞を独占という快挙を与えたオリヴィエ・ダアン監督が、次回作にシャロン・ストーン、フォレスト・ウィッテカーを迎えた英語劇を予定していると報道された。監督自身が脚本を執筆したこの新作のタイトルは“MY OWN LOVE SONG”。カンサスとルイジアナを舞台にしたロードムービー風のシュールなドラマで、身体麻痺に陥り車椅子の生活をしている元歌手の女性と勤務中の事故で入院をしている消防士の物語。シャロン・ストーンの参加はまだ正式決定していないが、「オスカーのおかげで希望する俳優をキャスティングできるようになった」と述べているダアン監督は、授賞式の後、2月27日よりロケハンに入っており、6月の撮影スタートを目指している。 |
| セザール賞でマチュー・ママルリックのメッセージが検閲に? CESARS 2008: MESSAGE DE M.AMALRIC EST CENSURE? |
| 2月22日に開催されたセザール賞授賞式。主演男優賞を獲得したマチュー・アマルリックはジェームス・ボンドシリーズの新作“QUANTUM OF SOLACE”のパナマでの撮影のためにセレモニーを欠席、同賞に託されたメッセージが司会のアントワーヌ・ド・コーヌ氏のよって読み上げられたが、その内容が「検閲」されたと物議を醸し出している。マチュー・アマルリックの書いたメッセージにはノミネートされた他の俳優たちや『潜水服も蝶の夢を見る』の共演者への賛辞を含めた長いお礼の言葉が綴られていたが、その後に、興行の数字だけを唯一の判断基準とするシネコンを批判する文章が続けられていたにも関わらず、その部分は割愛されてしまったのだ。アントワーヌ・ド・コーヌ氏は番組の制作サイドから渡されたものを読んだだけとして、カットされた部分があることを知らなかったと発言している。この件に関して映画ジャーナリストの団体は激しく糾弾、セレモニーのプロデューサーはお詫びの声明を出したものの、マチュー・アマルリックのメッセージは受賞直前に届き、きちんと書き上げられていなかったこと、また放送時間が押していたことがカットの理由であり、俳優のエージェント側が割愛することを了承したと説明している。マチュー・アマルリックのメッセージ全文は、現在、彼自身から映画雑誌カイエ・ドゥ・シネマにメイルで送られ、同誌の公式サイトに掲載(フランス語)されている。(http://www.cahiersducinema.com/article1507.html) |
| ダニー・ブーンの監督作品が大ヒット!/今週のフランスの興行成績(2月27日版) |
| 『ぼくの大切な友だち』の主演俳優の一人、ダニー・ブーンの監督第2作目にあたり、主演もしているコメディ「北フランスにようこそ」“BIENVENUE CHEZ LES CH'TIS”が驚異的な現象を起こして話題になっている。先週、監督の故郷で映画の舞台となったフランス北部の3県のみで公開された本作は64プリントのみで555,392人を動員、館アベレージは8,678人という通常では考えられない数字を記録し、週間ランキングでは4位にランクインした。この現象は北部だけにはとどまらず、全国公開となった今週は、パリとその近郊だけで113,892人を動員して堂々のトップに。大ヒット作品『ミッション:クレオパトラ』の初日を超えるスタートとなり、今後、全国区での動きに注目が集まっている。 週間チャートではセドリック・クラピッシュ監督の新作「パリ」“PARIS”が778,154人を動員し、『ジャンパー』の626,887人を抑えて1位を獲得。そして「オリンピックのアステリックス」“ASTERIX AUX JEUX OLYMPIQUES”(トマ・ラングマン&フレデリック・フォレスティエ監督)は4週で600万人、「ついに未亡人」“ENFIN VEUVE”(イザベル・メルゴー監督)が6週で200万人を超えたが、特筆すべきはセザール賞を獲得し、再公開する映画館を一挙に増やした「穀粒とボラ」“LA GRAINE ET LE MULET”(アブデラティフ・ケシッシュ監督)が、前週から85%アップの動員数を記録し、70万人を突破した。 |